2018年5月17日木曜日

【2018.06.30】薩摩琵琶演奏会のお知らせ

薩摩琵琶の音色と言われてもピンとこない方が多いと思います。

しかし今年はNHKの大河ドラマ「西郷どん」のテーマ音楽の一部に流れる楽器の音が薩摩琵琶の音色と言われ、「あれがそうなの」と思われる方も居られると思います。                          薩摩琵琶の特徴の素朴雄渾で自由奔放さに華奢・優雅さの要素を持った錦心流の琵琶の演奏をお楽しみ下さい。

演奏者 木村昭子さん(会員) 薩摩琵琶 錦心流(20年以上のキャリア)

演奏曲目:耳なし芳一、壇ノ浦

日時:2018年6月30日(土)18:00~20:00

会場:九工大鳳龍クラブ (港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館5階)

会費:1,000円 (当日受付にて徴収致します。)

   終了後の懇親会も予定していますが、詳細は当日のお楽しみに

申込・問い合わせは E-mail : kankitafc@gmail.com  

担当幹事 代表 藤城昌三まで

琵琶の歴史について

 古代ペルシャに起こったと伝えられる琵琶は、西はアラブ圏のウード、ヨーロッパのリュートやギター、東はシルクロードを経て中国の四弦曲琵琶、南はインドのヴィナと融合してインド琵琶等、それぞれの地域・民族性を反映し、その形態・音楽性を変えながら伝播していった。
 我が国へのブ羽の伝来については、時を隔ててインド盲琵琶と漢琵琶の2種が中国から伝わったとする説と雅楽琵琶として伝来した曲頚琵琶から各種琵琶が誕生したという説とがある。
 この2種を基に、わが国独自の琵琶が作り出された。すなわち平家琵琶、薩摩琵琶。筑前琵琶の3種であるが、近代琵琶として今日一般に演奏されるものは薩摩琵琶と筑前琵琶をベースとしたものがある。
 奈良の正倉院に現存する琵琶は、中国からもたらされた外来琵琶である。
琵琶は盲僧たちの宗教的な法要時の伴奏として使用されていたが、江戸時代前期の徳川綱吉の生類憐みの令の発布以降芸能の楽器として使用されていた三味線が禁止され、その代わりに琵琶が使用され始めた。
 江戸幕末の薩長の勢力は明治維新後、中央進出にともない薩摩琵琶も東京への進出が盛んになり、多くの演奏家が活躍した。
 薩摩琵琶も一般受けする芸風を工夫して、女性にも門戸を開き、琵琶の愛好者を増やし、その流れを汲み生まれたのが錦心流である。
 筑前琵琶の創立者の一丸智定は鹿児島に半年間程滞在し、薩摩琵琶を習得し、楽器をはじめ奏法や節回しを薩摩琵琶から多くの要素を取り入れ筑前琵琶を創始し東京に居を移し橘旭翁と名乗り旭会を設立し、家元制度を取り入れ多くの弟子を育て明治末には薩摩琵琶と並んで全国的な筑前琵琶の流行を見るに至った。

薩摩琵琶の特色

 薩摩琵琶は楽器「琵琶」を伴奏とする声楽で、内容は主として英雄譚・合戦譚その他勇壮な物語である。声、楽器とも豪放であり、自由闊達を特色とするが、錦心流は華奢・優雅であり正派に比較すると弦が細く、撥の使い方もおとなしいが、一曲一曲が、(前語り)(本語り)(後語り)という構成になっていることや曲節に(基吟)と((崩れ))((吟替り))および((吟詠))の4種類があることなど正派と同様である。

薩摩琵琶の形状

琵琶の形状は、古典琵琶(平家琵琶)、薩摩琵琶、筑前琵琶をそれぞれ細部を比較すると様々点に差異があるが、薩摩琵琶の特徴は柱が3点支持であることや撥の形状が筑前琵琶と比較して幅広である点である。
なお琵琶の詳細のことを知りたい方は日本琵琶楽協会の公式ホームページを参照下さい。

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